脱炭素先行地域、静岡市と大潟村で加速する最新動向をレポート!

2022.07.28 Update

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脱炭素先行地域、静岡市と大潟村で加速する最新動向をレポート!

脱炭素先行地域の第1回公募で選定された26地域の中で、すでに新たな動きが生まれています。さらに、第2回公募もこのほどスタートすることが明らかになっています。今回は、第1回選定地域の中から、最新の動向についてご紹介します。

静岡市、清水港の「日の出地域エネルギー供給プロジェクト」

「脱炭素を通じて新たな価値と賑わいを生む『みなとまち しみず』からはじまるリノベーション」をテーマに掲げた、静岡県静岡市の脱炭素先行地域の計画。

具体的には、清水駅東口エリア、海洋観光開発エリアである日の出エリア、工業物流エリアである恩田原・片山エリアの3エリアで、それぞれのエリア特性を活かした脱炭素化を進めるとしています。

このうち、清水港を中心とした日の出エリアについては、地元のエネルギー会社である鈴与商事と連携協定を結び、「日の出地域エネルギー供給プロジェクト」という取り組みを進めることが発表されています。

(出典:鈴与商事株式会社)

同プロジェクトは、鈴与商事の拠点である清水港の倉庫などの屋根に太陽光発電を設置し、自家消費や余剰電力を活用したエネルギーの地産地消を推進するとみられます。

脱炭素化計画のタイトルに「リノベーション」とあるように、既存の施設や設備をうまく利活用して脱炭素化を進めるというのが、今回のポイントだと言えるでしょう。これまでも、卒FIT電力を市有施設で利用するなど、積極的な取り組みを進めてきた鈴与商事が、プロジェクトの要となるようです。

(出典:鈴与商事株式会社)

(参考:鈴与商事株式会社プレスリリース

 

秋田県大潟村、脱炭素化の主体となる株式会社を設立

一方で、秋田県大潟村では、地域脱炭素化の主体となる株式会社が地元企業などの出資により設立されたと報じられています。新会社の名称は「株式会社オーリス」。デンマークの地熱供給を参考に、もみ殻を用いたバイオマスで温熱を生成・利用するとされています。熱利用に力を入れている点が、大潟村の大きな特徴だと言えるでしょう。

もみ殻ボイラーは、村のカントリーエレベーター(農作物を乾燥・貯蔵するための共同利用施設)に設置され、村内で発生したもみ殻を燃料として利用するとみられます。また、発生した温熱は、自治体関連施設や県立大学、村営住宅、民間施設などに熱供給されるとのことです。

地域の特性を活かしながら、自然エネルギー100%による村づくりを目指すとしている大潟村。電気だけでなく熱によるアプローチは、エネルギーを効率よく利用するうえで重要な観点だと考えます。

さらに、この7月末には、脱炭素先行地域の取り組みへのキックオフとなるフォーラム「自然エネルギー100%による村づくりへの挑戦!」の開催も予定されています。ますます加速する大潟村の取り組みに、目が離せません。

第2回公募受付もいよいよスタート!

さて、脱炭素先行地域の第2回公募は、2022年7月26日〜8月26日の期間で受け付けられることが決まっています。第1回公募では、79の地方公共団体から計画の提案があり、26の地域が選定されました。第2回公募には、一体どれくらいの計画提案が集まるのでしょうか。

それぞれの地域特性を活かしたオリジナリティあふれる提案が集まり、地域脱炭素がスピードアップすることが期待されます。

制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook