5年ぶりの地球温暖化対策計画見直し、“地域脱炭素”が推進力

2021.08.13 Update

5年ぶりの地球温暖化対策計画見直し、“地域脱炭素”が推進力

日本で唯一の地球温暖化対策の総合計画である地球温暖化対策計画。5年ぶりに見直しが進められています。カギを握るのは、地方創生と表裏一体の地域脱炭素です。

地球温暖化対策計画とは?

「地球温暖化対策計画」とは日本で唯一の地球温暖化対策の総合計画です。産業、業務、家庭、運輸といったあらゆる部門において、総合的で計画的な対策の推進を図る目的で策定されます。国や地方公共団体が講じるべき施策なども含まれます。

現行の地球温暖化対策計画は2016年に策定されました。2030年までに二酸化炭素排出量を26%削減するという当時の目標を念頭に置いています。しかし、現在、同削減目標が46%に引き上げられるなど、温暖化対策をめぐる状況は大きく様変わりしました。そのため、地球温暖化対策計画の見直しが進められています。

排出量のさらなる削減が求められる

8月4日、環境省と経済産業省は地球温暖化対策計画の案を大筋で了承しました。その案によると、部門別の2030年度の排出削減量の目安は次の通りです。

(出典:環境省『地球温暖化対策計画(案)』より筆者作成)

これらの数値は今後精査されるため変わる可能性がありますが、大幅な排出量の削減が求められることには変わりありません。特に、業務その他部門と家庭部門では、2013年度実績からそれぞれ50%、66%もの削減が求められるとみられます。

地域脱炭素がもつ地方創生の可能性

このような見通しを踏まえ、公的機関においては、国や地方公共団体が率先して取り組むという方向が打ち出されました。その中で重要な役割を担うのが、地域の課題解決と脱炭素対策を両輪で進める「地域脱炭素ロードマップ」です。(参考『地域脱炭素ロードマップ、自治体・民間・市民一丸の取り組み促進へ』)

実際に、地球温暖化対策計画(案)では『地域脱炭素は、地方の成長戦略として、地域の強みを生かした地域の課題解決や魅力と質の向上に貢献する機会である』とされています。つまり、地域脱炭素は温暖化対策だけでなく地域振興策としても位置付けられているのです。

地域が主役となる脱炭素対策に向けては、再生可能エネルギーの導入や省エネ、蓄電池や電気自動車などといった取り組みがさらに加速すると予想されます。場合によっては、地方公共団体のこれまでのルールの見直しが迫られることもあるかもしれません。

多くの人にとって初のチャレンジとなる脱炭素。公平性や透明性を維持しながら柔軟なアイディアによって取り組みがすすむことを期待します。

制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook