まちづくりの指標として活用される「Liveable Well-Being City指標」とは?

2023.01.20 Update

スマートシティ

まちづくりの指標として活用される「Liveable Well-Being City指標」とは?

スマートシティを構築するうえでもっとも重要なことは、市民の幸福感の向上や暮らしやすさを追求することです。ともすればデジタルテクノロジーの活用にスポットが当てられるスマートシティの構築ですが、幸福感の向上を測るための指標「Liveable Well-Being City指標」が公開されています。

「Liveable Well-Being City指標」とは

Liveable Well-Being City指標(LWC指標)」とは、地域幸福度指標ともいい、市民の幸福感を高めるまちづくりの指標として、一般社団法人 スマートシティ・インスティテュートが開発・普及しているものです。LWC指標は、政府が進める「デジタル田園都市国家構想」において、地域の幸福感を測定するための指標として活用されることになっています。(参考:「デジタル田園都市構想」とは何か? 政府、実現会議を初開催 | SMART CITY NEWS(スマートシティニュース)

スマートシティ・インスティテュートによると、LWC指標が開発された背景としては、まちづくりにおいて人間中心主義を明確化すること、市民の視点で幸福感(Well-Being)を数値化・可視化することなどが挙げられています。

「LWC指標」を活用できるベータ版WEBサイトが公開

スマートシティ・インスティテュートは2022年7月、「LWC指標」を実際に活用できるベータ版WEBサイトを公開しました。このWEBサイトでは、Well-Beingについて3万4000人に対して先行して行ったアンケート調査の結果などをもとに、スマートシティ・インスティテュートが独自に集計した客観・主観データが公開されています。

このWEBサイトでは、客観・主観データのエクセルファイルをダウンロードできます。データの活用方法も動画で紹介されていますので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

(参考:Liveable Well-Being City 指標 ご紹介と活用について 一般社団法人 スマートシティ・インスティテュート)

前橋市におけるWell-Beingの実現

Well-Beingをまちづくりに取り入れている事例として、群馬県前橋市が目指すスーパーシティ構想「デジタル・グリーンシティ前橋」が挙げられます。

前橋市では、早くから「都市の暮らしやすさ、多様性、寛容性をベースに、街や人が幸せになる新たな価値の創造(めぶく)に挑戦する人やコトを支える」をミッションにスーパーシティ・スローシティの実現に取り組んでいます。スローシティという言葉には「日々の暮らしに余裕が生まれ、自分らしく生き生きと楽しむ生活」という意味が込められています。

こうしたミッションに向けて、なりすましのきかない「まえばしID」を基盤にした新しい行政サービスや民間サービスを展開する考えを打ち出しています。このように前橋市では、デジタルテクノロジーを活用しながらWell-Beingを目指すというモデルを実践しているのです。

(参考:前橋市は「スーパーシティ」構想に挑戦します 前橋市)

Well-Beingという考え方は、日本のみならずOECD諸国でも政策立案への活用が検討されています。幸福が政策における重要な指標として位置付けられることで、スマートシティの実現も近づくのではないかと期待されます。

制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook