政府、GX実現に向けた今後10年間のロードマップでカーボンプライシングの方針を提示

2023.02.01 Update

カーボンニュートラル

政府、GX実現に向けた今後10年間のロードマップでカーボンプライシングの方針を提示

政府はこのほど、第5回GX実行会議を開催し「GX実現に向けた基本方針(案)」を公表し、今後10年間のロードマップを示しました。それによると「成長志向型カーボンプライシング構想」などによって、150兆円を超える官民投資を促したいとしています。

「GX実現に向けた基本方針(案)」のポイント

政府は2022年12月22日、第5回GX実行会議で「GX実現に向けた基本方針(案)」を示しました。これは、2050年カーボンニュートラルを目指すために、産業・エネルギー政策の大転換であるグリーントランスフォーメーション(GX)を実行するためのロードマップと位置付けられています。2030年度のCO2排出46%削減を達成するとともに、日本の産業構造を強化するなどして経済成長を目指すとされました。

方針案の今後10年間のロードマップの全体像は、下図の通りです。投資を促進するための支援を行うとともに、カーボンプライシングによってGXへ先行投資を行うことにインセンティブを付与することも検討されています。

(今後10年間を見据えたロードマップの全体像。出典:内閣官房 GX実行会議(第5回)資料2『GX実現に向けた基本方針(案)参考資料』より抜粋)

カーボンプライシングの今後の行方は?

今回の方針案では、今後10年間で150兆円を超える官民投資を実現するために「成長志向型カーボンプライシング構想」を実行するとしています。カーボンプライシングとは、炭素排出に値付けすることで、GX関連製品・事業などの付加価値を向上させるものです。具体的には、次の3つの措置を講じるとされました。

①「GX経済移行債」(仮称)等を活用した大胆な先行投資支援(規制・支援一体型投資促進策等)

新しく「GX移行債」(仮称)を創設し、政府が先行して20兆円規模の投資支援を行います。非化石エネルギーへの転換や産業構造の転換、抜本的な省エネの推進、資源循環・炭素固定技術などの研究開発に対して支援をする考えです、

②カーボンプライシングによるGX先行投資インセンティブ

当初、低い負担から導入し、徐々に引き上げていくという考えのもと、事業者が早期にGXに取り組むことにインセンティブを与える方針です。具体的には、2026年度から「排出量取引制度」を本格運用するとともに、2028年度から「炭素に対する求課金」を導入するとされました。

③新たな金融手法の活用

グリーン分野、トランジション分野の双方で民間投資を呼び込むために環境整備を進めるとともに、欧州を参考に、公的資金と民間資金をうまく組み合わせた「ブレンデッド・ファイナンス」という金融手法を確立するとしています。

こうした内容から考えると、今後のカーボンプライシングは「排出量取引制度」と「炭素に対する賦課金」の二本立てによる仕組みになると予想されます。「排出量取引制度」は、2023年度からGXリーグにおいて試行的に開始されることが決まっています。こうした動向をチェックしながら、どのような制度になるのか、負担の規模がどれくらいになるのかなどを考えていく必要がありそうです。

制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook