長野県箕輪町、再エネの「促進区域」を全国で初めて設定!

2022.09.23 Update

再エネ カーボンニュートラル

長野県箕輪町、再エネの「促進区域」を全国で初めて設定!

今年4月に地球温暖化対策推進法が改正されたことにより、市町村は再生可能エネルギーの「促進区域」を設定できるようになりました。このほど、全国で初めて長野県箕輪町が太陽光発電の「促進区域」を設定しました。

温対法における再エネの「促進区域」とは?

地球温暖化対策推進法(温対法)は、2022年4月の改正施行によって「2050年カーボンニュートラル宣言」が正式に法の基本理念として位置付けられました。それに加えて、地方創生につながる再エネ導入を促進するため、市町村は「地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業(地域脱炭素化促進事業)に係る促進区域」などを定めることができるようになったのです。

これが、いわゆる再エネの「促進区域」です。市町村が促進区域を設定する流れとしては、まず、環境省や都道府県が設定した環境配慮基準に基づくエリアを除外し、次に、白地なエリア(調整エリア)のうち、再エネをよりポジティブに促進する区域を抽出する形になります。

(促進区域設定のイメージ。出典:環境省

 

市町村が再エネの促進区域を設定することで期待される効果は、大きく2つあると考えられます。1つ目は、環境保全効果。あらかじめ景観や動植物の生態系に配慮すべきエリアを除外することで、再エネの開発による自然環境や生活環境への影響を抑えることができるでしょう。

2つ目は、促進区域に再エネ発電設備などが増えることによって、地域の経済・社会の持続的な発展が期待できるという点です。再エネ発電設備は、停電などの非常時のための電源としても活用できるほか、設備の保守点検などによる雇用の創出効果も生まれると考えられます。

長野県箕輪町が全国で初めて「促進区域」を設定

今年7月、長野県箕輪町が全国で初めて改正温対法の促進区域を設定しました。箕輪町は、長野県南部に位置する人口2万5000人あまりの町です。太陽光発電の促進区域として、町が有する公共施設の屋根や土地、産業団地を設定しました。今後は、未利用地や駐車場、ため池などの設定も予定しているとのことです。

町では、改正温対法が施行された今年4月、環境審議会へ促進区域の設定を諮問しました。その後、パブリックコメントや環境審議会から市長への答申などを経て策定に至ったということです。

環境省によると、箕輪町のほかに神奈川県小田原市も太陽光発電の促進区域の設定に向けて動いているとされています。早ければこの9月にも策定・公表される見通しです。同市は市街化区域内を促進区域として定めるとのことで、大規模な再エネの導入が進められるのではないかと予想されます。

さらに、現在、約20の市町村が促進区域の設定を検討しているとのことで、続々と再エネの促進区域が増えていくと考えられます。地域と共生した再エネのあり方として、市町村がリーダーシップを持って進めていく再エネの促進区域。今度、どのような広がりを見せるのか要注目です。

(参考:資源エネルギー庁『再エネの大量導入に向けて』2022年8月17日)

                                                                                    「制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook