COP26が閉幕、石炭火力の段階的削減などで合意

2021.11.22 Update

カーボンニュートラル COP26

COP26が閉幕、石炭火力の段階的削減などで合意

10月31日から11月13日に英国のグラスゴーで開催されたCOP26。そもそもCOPとは何か今回のCOP26の結果やポイントについてご紹介します。

世界各国が温暖化対策を議論する「COP」

COPとは”Conference of the Parties”の略で、日本語では「国連気候変動枠組み条約締結国会議」。国連加盟国が集まり地球温暖化対策を議論するために、1995年から開催されています。

1997年に京都で開催されたCOP3(第3回目のCOP)では、京都議定書が締結されたことで知られています。京都議定書は、世界各国が初めて温暖化対策について約束を交わし、歴史に残るものとなりました。日本は、2008年から2012年までに1990年と比べて6%の温室効果ガス排出量を削減する義務を負いました。

これまでに開催されたCOPの中でもっとも大きなターニングポイントとなったのは、2015年のCOP21です。パリ協定が採択され、世界の平均気温の上昇を産業革命以前より1.5~2℃までに抑えるとし、途上国を含む世界全体で取り組むことを約束しました。

今年のCOP26の議論のポイントは?

会期を1日延長し、10月31日から11月13日にわたって英国グラスゴーで開かれたCOP26は、コロナ禍のため2年ぶりの開催となりました。開催前に議題として挙げられていたのは、大きく次の4点でした。

①各国の排出削減目標(NDC、Nationally Determined Contribution)
②生態系(エコシステム)の保護
③温暖化対策のための資金動員
④パリ協定の詳細なルールを議論

このうち①に関しては、日本は2030年の温室効果ガス排出削減量を2013年と比べて46%削減するという目標を提出しました。また、2050年カーボンニュートラルの達成に向け、50%の高みに挑戦するとしています。

今回のCOP26の焦点のひとつになったのは、温室効果ガスを多く排出する石炭火力発電の扱いでした。議長国である英国は石炭火力の「廃止」を求めましたが、中国やインドなどからの意見を考慮し「逓減(段階的な削減)」という表現に落ち着きました。石炭の使用削減については初の合意となりました。

一方、温暖化対策の資金に関しては、2009年のCOP15で先進国は毎年1,000億ドルを途上国の温暖化対策のために拠出することが決定されていました。しかし、この資金は目標年の2020年時点でまだ達成されておらず、全額が集まるのは2023年になるとみられています。

そんな中、日本の岸田総理が、アジアの脱炭素化のため今後5年間で最大100億ドルの追加支援を行うと表明したことで、1,000億ドルという資金動員目標の達成が早まると期待されています。

11月2日(現地時間)、COP26世界リーダーズ・サミットでスピーチを行う岸田総理(出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/100_kishida/actions/202111/02cop26.html))

制作:office SOTO 山下幸恵 Facebook