第1回IoT(Internet of Things)勉強会第1部:欧米で進む再エネへの転換とデジタルによるシステム化

2017.07.07 Update

勉強会

第1回IoT(Internet of Things)勉強会第1部:欧米で進む再エネへの転換とデジタルによるシステム化

5月31日、スマートシティ企画株式会社のオフィス内でスマートシティプロジェクト(以下SCP)参加企業の皆様をお招きし、第1回IoT勉強会を開催しました。

この勉強会はIoT、ビックデータ、AIが創造する新たな価値を発見し、SCP参加企業や協力企業が連携して事業開発に向かうことを目指します。

第1部ではシャープ株式会社の森本さんより最新の再エネのビジネストレンドについてお話頂きました。


シャープ株式会社の森本さん

2017年3月に参加した国際エネルギー機関(International Energy Agency,以下IEA)の再エネ産業諮問委員会(Renewable Industry Advisory Board,以下RIAB)と再エネ作業部会(Renewable Energy Working Party,以下REWP)では、急速なエネルギー転換(Energiewend)とデジタル化がテーマとなった。RIABには欧州のユーティリティのEnel、Engie、Abengoa等、ソーラーのFirst Solar、風力の風力発電協会(WindEurope)やアメリカの国立再生可能エネルギー研究所、日本からシャープ、J-Power、ソーラーフロンティア等が、REWPにはイタリアの大手電力会社ENEL Green Power社、ドイツの蓄電池メーカーSonnen社、アメリカの太陽光メーカーVivint Solar社等が参加していた。

海外では再エネ・分散発電への転換が進む

昨今、欧州と米国をはじめとして全世界で再エネへの転換が展開している。2015年には再エネの発電量が石炭の電力容量を超え、5年後には再エネの電力容量が世界の60%以上を占めることが予測される。

再エネ機器や蓄電装置の急速な価格ダウン・普及が進み、様々な規模での分散発電が可能な時代となった。欧米では大手電力会社等も含め、多くの企業がこぞってこの現状をビジネスチャンスと捉え、再エネを導入している。

不安定な変動型発電を系統へ安定的に取込む必要性

一方、再エネを電力系統へ取り込む際に懸念される問題もある。従来は特定の場所で発電を行い消費者へ供給する集中発電が主なシステムだった。

しかし、再エネへの転換が進み、これからは消費者自身が発電を行い、使わない電力を他の消費者へ融通する分散発電が拡大していく。将来的には大規模な分散発電の融通を行いつつ、風力や太陽光などの変動型発電を様々な時間・場所・状況下で安定的に系統へ取り込む仕組みが必要となる。

電力をネットワーク化し、融通する仕組みの開発

そのような問題を解決するため、欧米ではエネルギー関連機器とそれらをネットワーク化し電力融通をシステム化する試みが進んでいる。そのひとつが、ブロックチェーン技術による安全で安価な小口取引フレームワーク(Ethereum Blockchain)を活用する方法だ。

例えば、ドイツのSonnenn社と送電事業者であるTenneT社は太陽光発電を設置している家庭6000軒に対し蓄電池を配布し、ブロックチェーン技術を活用して電力調整する実証実験を開始する。

日本では電力融通に対するハードルが高い現状

ただし、日本では電力の融通にブロックチェーンを使って小口取引をやるには法規制上ハードルが高い。また、日本の大手電力会社がこのIEA会議に出席しておらず、エネルギー産業での世界の潮流に乗り遅れるのではと懸念する。


海外で再エネへの転換が進む一方、日本ではまだ法規制などのハードルが高く、ブロックチェーン技術による電力の小口取引を導入しがたい状況にあります。講演後のディスカッションでは、まずは閉じられた限定的な地域内において、電力のネットワーク化、ブロックチェーンの仕組を採用し、実績を作ることが展開への鍵となるのでは、という話も挙がっていました。